竹中さんのキャラが生きてました(うざかったけど(笑))。
私にはコメディ部分が全然合わなくて、最初の方はこれはキツいかも!って思ったんですが会場は爆笑の連続でちょっと疎外感…。
でもコメディ部分を含め前半は本当に微妙な出来なんです。末期癌だと立ち聞きしたシーンではっきり人違いだって分かったり、山本が登場して直ぐに病気だと分かるバレバレな伏線には見る気を削がれてしまうの。
しかし、後半の末期ガンで余命半年の患者が自分じゃなかったと分かったあと、山本(宅麻伸)に自分がどうしたらいいか分からずオロオロしたり、謝るしかないとなって奥さんに付いてきてとすがるシーン。渡辺(斉藤暁)と栗田(段田安則)がケンカするシーンと次々といいシーンが続き、その間に笑えるシーンが挟まれてそのバランスが凄く良くて話に引き込まれちゃいました。
なんて言うか、仕事が上手く行かなくてイライラして突然キレてケンカしてしまうの分かるし、八つ当たりだって分かってて、でもどうしようもないのも分かるんですよ。
みんなの行動が本当に納得出来て、違和感がないのがとてもいい。
栗田のお母さんがいなくなった後のくだりも、妙に劇的になっていないのが、これまたいい。
そして、竹中さん演じる藤田のあのわざとらしさが、周りのあまりの自然さにおかしく感じない不思議さ。ごく自然に笑える演出。すごくイイです。
ある程度年齢を重ねた人の方が楽しめる良作品だと思います。
監督:星田良子
音楽アドバイザー:奥田民夫
出演:竹中直人/宅麻伸/斉藤暁/稲垣潤一/段田安則/浅田美代子/紺野美沙子/貫地谷しほり