2009年06月25日

「MW−ムウ−」試写会にいってきました

色々応募したかいがあり、試写会行ってきました。

予想していたよりは楽しめた。
原作に思い入れなければまあまあ面白い作品かなぁ。
玉木宏さんのかっこいい映画を見たい人とか、ダークヒーロー物が好きで、展開に穴がありまくりでも、勢いがあったら気にしな〜いって人向けです。

ただ、「世界を変えるのは、破壊か。祈りか。」というのは嘘コピーなので、そこら辺は期待しないのが吉。
全然対比になってなかったです。

BGMがうっとうしいほど大きくて台詞が聞きづらかったり、画像処理しすぎて画面見にくかったりと、演出過多なのがちょっと減点。
話がすごいスピードで進んでいって、殺される人があまり描写されることなく死んでいくのも、もったいないというか。
結城が殺したいと思う気持ちに共感しづらいし、普通の人が殺されることの理不尽さも感じにくくて。脚本もうちょっと何とかならなかったのかなぁ。

結城と賀来の関係は残っているというか、残っていないというか。
原作知ってたらやっぱりそうなのかと思う程度で、二人が出来てるのを知らなかったら、賀来の言動は理解出来ない感じがする。
それが明確じゃないから、賀来の祈りが何のための祈りかが分からなくて、対比になってないんだよね。
でもそう思ってみると、賀来の結城に対する愛は相当なもんで、結局のところ、結城が人殺しするのを止めることよりもずっと結城が自分のそばにいてくれることの方が重要という。
牧野京子(石田ゆり子)を積極的に助けようともしないのにはちょっと驚きました。彼女が最初からいないかのごとく、一人で逃げるんだもん。
牧野京子の死に方はもう少しなんとかならなかったのか。本当にもったいないというか、重要性がなさすぎるというか。
原作から設定あれほど削ったんだから、もう少しキャラもスッキリさせたほうが良かったんじゃないかなぁ。

ここから下は反転して読んでね。ネタバレもあります。

原作の二人が同性愛の関係って知らない人には賀来の「おまえがいてくれさえすればいい」というのはちょっと唐突だし、やっぱり理解出来ない気がする。
まあ、その前の二人のやりとりで少し怪しいって思うかもしれないけど。
「二人で一緒に逃げよう!」には「だったらちゃんと二人の関係描いとけ!」って思いました。
思い切り一方通行の感情だったなぁ。
でも、まあ、結城も結局賀来のこと好きだったともとれる演出もあることはあったけど。
裏切ったと言いながら殺さないで、自分と一緒に行動させようとしたり、牧野京子はあっさり殺しても、賀来は海の中に拾いにいったし。殺そうとして海に落としておきながら動揺したり。

ラストで結城は生きていたけど、賀来は死んだと確定ではないあたりも意味深だなぁ。
MWを引き上げるとき一緒に賀来の身体も探し当てたのか、それとも賀来が神様を捨てたのか。
結城がわざわざ賀来の形見を美香(山下リオ)に渡すとは思えないので、後者なのかなぁと、思ったりもするのですよ。

【追記】
そーいや、1カットだけ結城の女装(シスター姿)があったんだけど、あれも原作読んでないと結城が女装した姿だとは気づかないと思う。
一緒に行った友人はシスターと結城は別人と思ったらしい。わざわざ入れる意味無しなシーンでした。

男をたぶらかすどころか、女をたぶらかすシーンも全くなし。
代議士の娘が顔見せだけに出てきたのはまさに時間の無駄。
たぶらかされてるシーンがないから殺された時に「あ〜あ、殺されちゃった“可哀想”(もしくは)“いい気味”」じゃなくて「あ、もう殺されちゃった」になるし、いろいろと勿体ない脚本であることは否めないなぁ…。

監督:岩本仁志
原作:手塚治虫
出演:玉木宏/山田孝之/石田ゆり子/石橋凌/鶴見辰吾/山本裕典/山下リオ/風間トオル

MW -ムウ-@映画生活
MW−ムウ−@woman.excite
posted by Yui at 21:00| Comment(0) | TrackBack(2) | 映画
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